Hypsypops rubicundus (Girard, 1854)
英雄の名を継ぐケルプの森に棲む魚
体長35cm。カリフォルニア州モントレー湾から、バハカリフォルニア南部にかけて東太平洋の沿岸部に分布します。岩礁域やケルプと呼ばれる大型の海藻の森に生息するスズメダイの一種です。カリフォルニア州では州魚として法律で保護されており、採取や飼育は違法となります。明るい橙色の体色とハート型の尾びれが特徴的で、暗いケルプの森の中では一際鮮やかで目立ちます。幼魚は濃い橙色で青い斑点と青い縁取りのヒレがあります。
繁殖ですが、卵を育てるのはオスの役目です。毎年春になると巣となる岩場の藻やゴミを取り除いたりして巣作りの準備に取り組みます。そして準備が整うと今度はメスは良い巣を見つけるためにオスの作った巣を見てまわります。決めるまでに15以上の巣を尋ねることも珍しくないそうです。オスはメスの注意を引くためにループ状に泳ぎます。そして咽頭歯を噛みしめて低周波のドンドンという音を出します。オスは懸命なアピールによって初めてメスを巣に迎え入れることができるのです。ちなみにメスは空の巣に卵を産むことを嫌がり、最低でも1匹の別のメスの卵がある巣を探すそうです。無事に受精した卵を守るためにオスは侵入者を寄せ付けず勇敢に立ち向かいます。
さて、ガリバルディの名前はイタリア統一のために戦った英雄ジュゼッペ・ガリバルディが由来です。彼は1840年代に組織した軍の士気を上げるために鮮やかな赤いシャツを着ることにしたのでした。赤を纏う勇猛な姿がイタリアの英雄になぞらえられたというわけです。

参考文献
東京ズーネット | どうぶつ図鑑 | ガリバルディ 2025年1月19日閲覧
Monterey Bay Aquarium | Animals | Garibaldi 2025年1月19日閲覧
“Hypsypops rubicundus (Girard, 1854) Garibaldi damselfish” FishBase 2025年1月19日閲覧