Abudefduf vaigiensis (Quoy & Gaimard, 1825)
インド太平洋の軍曹
体長20cm。紅海、インド太平洋に分布する大型のスズメダイです。奄美大島では食用とされます。オヤビッチャという不思議な名前は標準和名になっています。名前の由来は諸説ありますが、一番有力な説は沖縄の方言名アヤビチャーが由来で綾が走るという意味です。奄美大島ではアヤビキと呼びますので信憑性は高いでしょう。
綾が走るとは綾模様が入ることです。オヤビッチャは白色の体に5本の黒色の横帯が入っています。背部は黄色で、平たく高い体高が特徴です。近縁のロクセンスズメダイとはよく似ていますが、ロクセンスズメダイは尾ビレにも縞模様が入ることで区別がつきます。
また大西洋に分布するAbudefduf saxatilisとはさらによく似ており、混同されがちです。この種は、軍曹の紀章を彷彿とさせる黒帯が由来で、英名「Sergeant major(軍曹)」の名が与えられています。オヤビッチャの英名はそれに倣ったものです。

参考文献
琉球新報 | 沖縄用語辞典 | オヤビッチャ | (2003年3月1日) 2025年4月20日閲覧
奄美小町・名瀬漁協便り | アヤビキです。| (2012年7月20日) 2025年4月20日閲覧
京都大学白浜水族館「ここで見分けろ! ~オヤビッチャ編~」(2023年3月) 2025年4月20日閲覧
“Sergeant Major” Discover Fishes, Florida Museum. 2025年4月20日閲覧