雑魚でも江戸庶民の栄養源
体長約8cm。日本、中国などの東アジアに分布するコイ科の淡水魚です。繁殖力が強く本来生息域ではない東北地方や北海道、南西諸島にまで生息域を広げています。また北米やヨーロッパにも持ち込まれた結果、定着し既存の生態系を脅かす侵略的外来種として見なされています。
モツゴは小さな動物性プランクトンや藻類などさまざまなものを食べます。脊椎に沿って黒い線(黒色縦条)がありますが、成長につれ縦条が消失することもあります。また、元々縦条のない個体もあるようです。ブルーギルやブラックバスなどが導入された水域では食害により個体数は減少しているようです。
地域によって呼び名が異なり、関東では上アゴより下アゴが突き出ていて口元が細く見えるため、クチボソとも呼ばれています。江戸時代よりざっこ煮として佃煮にして食べられています。信州ではイシモロコと呼ばれています。モロコによく似ていること、。産卵期のオスは全体的に黒くなり口の周りに白いブツブツした石のような追星(産卵期に体や鱗の表面が熱くなってできる突起物のこと)が現れることから名付けられたようです。イシモロコは英名の由来にもなっています。
参考文献
国立環境研究所 | 侵入生物データベース | モツゴ 2024年11月23日閲覧
“Stone Morko” Ontario Federation of Anglers and Hunters 2024年11月23日閲覧
三鷹市 | みたかのいきもの図鑑 | モツゴ(持子) | (2010年12月18日) 2024年11月23日閲覧
片野 修, 中村 智幸, 山本 祥一郎「実験水槽におけるブルーギルによるモツゴの捕食」日本水産学会誌. 2003 年 69 巻 5 号 p. 733-737,852 2024年11月23日閲覧