Cyprinus carpio (Linnaeus, 1758)

新潟の農村から始まった錦鯉の歴史

観賞用に作出、改良されたコイの総称です。約200年前の江戸時代後期に、新潟県の二十村郷(現在の長岡市山古志地域と小千谷市東部一帯)で、マゴイから突然変異した変種を観賞用に養殖したのが始まりと言われています。二十村郷は棚田が広がる農村で、棚田に用いる溜池を利用して鯉を養殖していたのです。

明治時代には品種改良が進み、鯉の売買、交換が盛んになりました。1914年(大正3年)に東京大正博覧会が東京上野公園で開かれた際には「越後の変わり鯉」の名で出品されて人気を博し、全国に広まりました。

代表的な品種は3つあります。まず「紅白」は白色の地肌に紅の模様が入った錦鯉の基礎品種で、1890年に作出されました。「大正三色」は1917年(大正6年)に作出された品種で、白色の地肌に、紅と黒の模様が入ります。1927年(昭和2年)に作出された「昭和三色」は黒色の地肌に紅と白の模様が入り、胸鰭の付け根に黒い模様が入ったものが基本となります。品種改良を進めるのに大きな存在となったのはドイツ産の品種の導入です。鱗をほとんど持たず、地肌が露呈して明るい色彩のこの種は1904年にドイツから寄贈された40尾をきっかけに品種倍増に貢献し、「秋翠」「山吹黄金」といった人気品種を生み出しました。様々な交配で作出された錦鯉の品種は現在100種を超えています。

「錦鯉」の名付け親は、大正時代に山古志郷の鯉の品種改良を熱心に指導した、新潟県庁水産主任官の阿部圭とされています。戦後には「Fancy Carp」という名で海外に紹介されましたが、現在では「Nishikigoi 」として海外に輸出され、世界中に多くの愛好者を生み出しています。

しながわ水族館のニシキゴイ

参考文献

山古志農泊推進協議会 #YAMAKOSHI | 泳ぐ宝石・錦鯉の発祥地は山古志だった! 2025年5月5日閲覧

新潟県 | 農林水産業 | にいがたの錦鯉 | (2020年5月21日) 2025年5月5日閲覧

全日本錦鯉振興会 | 錦鯉の誕生 | 錦鯉誕生とその背景 2025年5月5日閲覧

トランスユーロアカデミー | 日本人からみると不思議なドイツ事情 | ドイツの鯉文化 | (2022年3月22日) 2025年5月5日閲覧


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