Chromis viridis (G. Cuvier, 1830)
美しい水色の秘密
体長8cm。奄美大島以南の西太平洋に分布するスズメダイで下アゴの犬歯状歯が前向きに突き出ているのが和名の由来です。薄い青緑色の体色が一際目を惹く存在です。英名の由来にもなっていますし、種小名のviridisは緑を意味します。
実はこの美しい色は固定的に黄色を反射する虹色素胞と、黒色素胞の細胞体の上にあり運動性のある虹色素胞によって作り出されています。運動性虹色素胞は主に青色を反射させますが、光の当たり具合によって変化するので、周りの黄色との点描効果により、水色やペパーミントグリーンの体色を呈するというわけです。
デバスズメダイは繁殖期になるとオスは黄色味を増し、背ビレや胸ビレなどが黒くなります。これはメスへのアピールのための婚姻色です。沖縄では6月ごろが繁殖期で、サンゴのそばにあるガレ場(死サンゴ塊や石灰岩片が転がる場所)に集まり、オスが自ら選んだ産卵床にメスを必死に誘い、卵を産ませるのです。
参考文献
美ら海水族館 | 美ら海生き物図鑑 | デバスズメダイ 2025年3月30日閲覧
東邦大学メディアネットセンター | 魚はなぜ青い? – 魚の体色変化の不思議を探る – | 大島 範子 2025年3月30日閲覧
海と島の雑貨屋さん | Fishes of Minna – 水納島の魚たち – | デバスズメダイ 2025年3月30日閲覧