ワオキツネザル Ring-tailed lemur


長い尾は旗のような目印です

頭胴長約45cm、尾長約55cm、体重2.5 – 3.0kg。マダガスカル固有種であり、縞模様の長い尾が特徴です。

他のキツネザルとは異なり、時間の4割を地上で暮らします。多い時は25匹もの群れとなります。霊長類の中では珍しく、メスの方がグループ内で優勢で、メスは食べ物に優先的にアクセスし、誰と交尾するかを選択できます。

移動の時は縞模様の尾を真っ直ぐ立ち上げます。これは仲間同士の目印となるようです。またオスには手首内側に臭腺(前腕腺) があり、そこからフェロモン を分泌し、それを尾にこすりつけて空中に漂わせます。この様なディスプレイでメスへのアピールや他オス個体への威嚇を行います。個体間の嗅覚によるコミュニケーションは霊長類おいては視覚の発達とともに失われてきましたが、かつてはヒトもワオキツネザルのように嗅覚を通じたコミュニケーションを積極的に行っていたのかもしれません。

ワオキツネザルには白黒それぞれ13個の輪の模様が尾にあります。

参考文献

東京大学大学院農学生命科学研究科·農学部 | ワオキツネザルのメスを惹き付けるオスの匂い ―霊長類のフェロモン様物質の同定に初めて成功― | 白須未香/伊藤聡美/糸井川壮大/早川卓志/木下こづえ/宗近功/今井啓雄/東原和成 | (2020年6月) 2024年6月23日閲覧


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