博物コレクターの名を冠したフエダイの仲間
成魚は全長60cmほど、稀に90cmに達し、フエダイ科の中でも大型です。アフリカ東岸・南日本・ニューカレドニア・オーストラリアまで、インド太平洋の熱帯海域に広く分布し、浅い海の岩礁・サンゴ礁周辺に生息します。深白地に3本の赤褐色の縞模様が入り、大型になると縞模様が薄れ全身が赤褐色になることもあります。日本ではあまり漁獲されませんが、台湾や中国南部の海南島などでは漁獲量も多く、重要な食用魚となっています。
学名は「Lutjanus sebae」ですが、オランダの薬剤師、博物コレクターであるアルベルトゥス・セバ(Albertus Seba 1965 – 1736)の名を冠しています。セバは動植物・鉱物などの博物標本を収集し、晩年には精密な版画による動物図鑑「Thesaurus(宝物)」 を出版しました。その書は百科事典の先駆けとし後世に影響を与えています。そんなセバに敬意を表して命名された動物は他に、「アフリカニシキヘビ Python sebae」、「セバエアネモネフィッシュ Amphiprion sebae」などがあります。
参考文献
八面六臂 | 魚 | 天然鮮魚 | センネンダイ 2024年8月3日閲覧
Mazza, G. Lutjanus sebae. MONACO NATURE ENCYCLOPEDIA. 2024年8月3日閲覧
Dearborn, JJ. (2013, January 17). Albertus Seba’s Cabinet of Wonder and Awe. Biodiversity Heritage Library. 2024年8月3日閲覧
Red Ibis, Eudocimus ruber. Google Arts & Culture 2024年8月18日閲覧