Heterodontus portusjacksoni (F. A. A. Meyer, 1793)
帰巣本能に優れたネコザメ
南オーストラリア周辺の温帯海域に固有のネコザメの仲間です。沿岸サンゴ礁に多く生息しており、主に沿岸近くから水深 275 メートルまでの大陸棚に生息しています。日本にも生息するネコザメ(Heterodontus japonicus)と比べるとひとまわり大きく、最大体長1.65mにもなるネコザメ属最大種です。体の模様はネコザメに比べて暗色斑が少なくハーネスのような帯が入ります。
オーストラリアの生息域では漁獲時に網に一緒に引き上げられることがよくあります。肉質は悪く、食用とされることは少ないのですぐに海に戻されます。他の魚は一度漁獲されるとストレスで弱ってしまうことがありますが、ポートジャクソンネコザメは漁獲に対する感受性が低いためリリースされても生き続けます。
ポートジャクソンネコザメは空間記憶能力が発達しており、シドニー湾の特定の住処から、船で最大3km離れた港内の別の場所に移動しても、また元の住処に戻ります。夏と秋をタスマニアのバス海峡の深海で過ごし、冬(8 – 9月)の繁殖期にニューサウスウェールズ州中央部まで移動します。その移動距離は最大で850kmもの距離になります。

参考文献
“Port Jackson Shark, Heterodontus portusjacksoni (Meyer, 1793)” Australian Museum. 2025年3月30日閲覧