多くの名前を持つサンゴ礁の巨大魚
体長60 – 100cm。オスのほうが大きくなり、最大で2m、180kg にもなる個体もいます。ベラ科最大の魚でインド〜西太平洋のサンゴ礁域に生息します。
目の後に2本の黒い線が入り、メガネを掛けているように見えることが和名の由来です。またもう一つの特徴である前頭部のコブがナポレオンの帽子のように見えることが、別名「ナポレオンフィッシュ」の名前の由来になります。英名としては他に「Humphead wrasse(コブ頭のベラ)」や「Maori wrasse(マオリのベラ)」があります。マオリとは頭部の独特な模様がマオリ族の伝統的なタトゥーに似ていることが由来です。
メガネモチノウオは他のベラ科の魚同様、雌性先熟の性転換をします。ただし雄になるのは群れの中で1番大きい個体に限られています。成体となり、雄になった個体はコブが発達し、赤橙色の体色が青や緑を基調とした鮮やかな色彩になり縄張り意識を持ち始めます。
今世紀に入り、メガネモチノウオは食用や観賞魚として乱獲され、また自然温暖化や海洋環境の悪化により生息地であるサンゴ礁が減少したことから生息数が激減しており、絶滅危惧種絶滅危惧IB類(EN)に指定されワシントン条約でも国際的な取引が制限されています。
参考文献
“Humphead wrass” Animalia. 2024年12月15日閲覧
東京ズーネット | どうぶつ図鑑 | メガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ) 2024年12月15日閲覧
TSURIHACK | メガネモチノウオ|ナポレオンフィッシュと呼ばれる魚とは | (2022年10月20日) 2024年12月15日閲覧
“Cheilinus undulatus” Discover Fishes, Florida Museum. 2024年12月15日閲覧
サカナト | 別名の方が有名な魚<メガネモチノウオ> ナポレオンフィッシュは存在しない? | (2024年3月26日) 2024年12月15日閲覧
“Maori Wrasse” Great Barrier Reef Tours. 2024年12月15日閲覧