浴衣を着た珊瑚礁の主(ぬし)
体長30cm。インド−太平洋の沿岸に分布し、日本では駿河湾より南の暖かなサンゴ礁の浅場に生息するハタ科の魚です。赤橙色の体色に青白い斑点が散在します。豆絞りのような模様から「浴衣羽太」と名付けられたと思われます。背びれ:9 棘,14〜16 軟条;しりびれ:3 棘,8〜9 軟条;胸びれ:17〜18 軟条。同じハタ科のスジアラとよく似ていますが、背びれ棘の数(スジアラは8本)により、区別できます。
ハタ科の魚は肉食性が強く、ユカタハタは小魚を中心にキンギョハナダイなどが餌となります。どんな因果かわかりませんが、ユカタハタの幼魚はキンギョハナダイにそっくりです。キンギョハナダイに紛れることで体の小さいキンギョハナダイの幼魚を捕食していると考えられます。しかし、ユカタハタの成魚はキンギョハナダイにそっくりなユカタハタの幼魚も捕食してしまわないのか疑問が残りますが、実際は捕食することがあるそうです。ユカタハタは同種であってもお構いなしなのです。
参考文献
東京ズーネット | ニュース | サンゴ礁の美しいハンター「ユカタハタ」 | (2015年2月13日) 2024年10月27日閲覧
「長崎県五島市福江島のハタ類フィールドガイド」独立行政法人 水産総合研究センター 西海区水産研究所 (2015年3月) 2024年10月27日閲覧
ガイド会 | ユカタハタ物語 | 川本 剛志 (2024年8月1日) 2024年10月27日閲覧
小枝 圭太, 畑 晴陵, 山田 守彦, 本村 浩之 (2018年3月)「内之浦漁港に水揚げされる魚たち」p.186 鹿児島大学総合研究博物館 2024年10月27日閲覧