Rhodeus ocellatus (Kner, 1866)
タナゴと二枚貝の関係
体長5 – 8cm。中国原産のバラタナゴの亜種の一つであり、1940年代に日本に移入され、日本固有亜種のニッポンバラタナゴとは交配種も存在します。
湖沼や河川の中下流域で水流が穏やかで、水草が生える場所に生息しています。体高は高く、著しく側扁しており、産卵期の3~9月にはオスは青紫を基調とする虹色の婚姻色が発現します。メスはドブガイ類などのイシガイ科二枚貝の鰓葉に産卵し、オスが精子をかけることで受精します。
貝に産卵するのは魚類の中でも珍しく、タナゴ類の他にヒガイ類がいます。二枚貝は卵を守るゆりかごの役目を果たしますが、二枚貝にとっては特に利益がないない「片利共生」です。むしろ酸素呼吸を妨げることもある有害な「寄生」とも考えられます。

参考文献
Honda 釣り倶楽部 | タイリクバラタナゴの特徴 2025年5月4日閲覧
京都府 | 京都府レッドデータブック2015 | ニッポンバラタナゴ 2025年5月4日閲覧
国立環境研究所 | 侵入生物データベース | タイリクバラタナゴ 2025年5月4日閲覧
たなごGo! | 二枚貝を使ったタナゴの繁殖方法!貝の飼育が産卵のポイントです! | (2024年4月12日) 2025年5月4日閲覧
橋口 康之「二枚貝に産卵する魚:タナゴ類の多様性と進化」日本の科学者 Vol.53 No.6 June 2018. 2025年5月4日閲覧