翼に爪がある飛べない鳥
体高約1.8m。オーストラリアに生息する飛べない鳥であり、ダチョウに次ぐ大きな鳥としてヒクイドリと共によく知られています。
エミューとヒクイドリを比較すると体高はエミューが高く、体重はヒクイドリの方が重いようです。種として近縁でありますが、縄張り意識が強く攻撃的なヒクイドリに対してエミューは放浪的で臆病な性格です。どちらも翼は小さく退化しており、エミューの翼は脚の付け根前方に約12 – 20cmの長さで残っています。ヒクイドリは風切羽の羽毛はなく羽軸だけが残っています。そしてどちらも翼に爪が存在します。
鳥類の翼は飛ぶために前肢を変化させたもので骨格を見ると3本の指のがあるのがわかります。翼角と呼ばれる翼の山なりの形の頂部分が人間の手首にあたり、そこから順に第1指(人間の親指にあたる)、第2指(人差し指)、第3指(中指)が存在します。エミューやヒクイドリの爪は第2指にあります。四肢ある恐竜の名残りであると言えますが、現生の鳥類の多くは前肢の爪を失っています。近年の研究で飛べない鳥は元々飛翔能力があったことがわかっています。飛ぶのをやめた結果、翼が退化して爪だけ残りましたが、その理由については未だ不明です。
参考文献
東山動植物園 | オフィシャルブログ | オーストラリアに生息する動物たちの豆知識(その3) | (2020年5月8日) 2024年11月23日閲覧
「第66回企画展 鳥の骨展-空飛ぶ鳥の骨組み-」(2013年7月13 日~12月1日) 鳥の博物館企画展ガイド(展示パネル集). 我孫子市鳥の博物館 2024年11月23日閲覧
笠岡市立カブトガニ博物館 | 野鳥の季節。鳥の手の指って何本? | (2019年12月16日) 2024年11月23日閲覧
「トリと恐竜をつなぐ指のつくられかた 手足の形づくりに見る普遍と多様」 | 田村宏治 (2011) | 季刊「生命誌」71号 | JT生命誌研究館 2024年11月23日閲覧
田村 宏治、野村 直生 (2011年2月2日)「恐竜の前足の指と鳥類の翼の指は同じもの」東北大学 大学院 生命科学研究科 2024年11月23日閲覧
ナショナルジオグラフィック | ニュース | 飛べない鳥、進化の謎を解明か | (2014年5月14日) 2024年11月23日閲覧