Oncorhynchus masou masou (Brevoort, 1856)
海へ降りないサクラマス
サケ科の魚であるサクラマスの亜種のひとつです。サケ科魚類は海と河川を往来する回遊魚ですが、サクラマスはその中で最も上流まで河川を遡上する種です。春から夏にかけて河川を遡上して数ヶ月の間深い淵などで過ごしてから河川の上流で産卵を行います。体の側面に上下に長いパーマークと呼ばれる小判状の青色斑紋模様あるのが特徴で、体長は2-3年で20 – 30cmになります。水生昆虫や落下昆虫を食性としており、みどり豊かな森を流れる清らかな渓流に生息しています。
卵から孵化した幼魚は魚は、海へ下って大きくなる「回遊型」種と、生まれた川で生涯を終える「残留型」種の2つの生活史があります。サクラマスは背鰭や尾鰭の先が黒ずむと、それはスモルト(銀毛)と呼ばれる海水適応した個体で、海へと降っていきます。ヤマメは遺伝的にスモルト化しないように適応した河川残留型(陸封型)の個体のことで川で一生暮らします。

参考文献
東京都島しょ農林水産総合センター | 東京おさかな図鑑 | ヤマメ 2025年5月11日閲覧
鮭と鰻のWEB図鑑 | 生態の話「回遊型と残留型」| 黒木真理・森田健太郎 (2021) 2025年5月11日閲覧
しゃくなげの森 | 渓流の女王 ヤマメ 2025年5月11日閲覧