Sacura margaritacea (Hilgendorf, 1879)
サクラダイと桜鯛は違う?
体長15cm。南日本沿岸部の水深10 – 100mの岩礁域に生息しています。鹿児島県島嶼や南西諸島周辺では水深100m以下の深い場所で暮らしています。かつては日本固有種と考えられていましたが、韓国,台湾,およびニューカレドニアと比較的広く分布することが分かっています。
体色は橙色でオスとメスで体の模様がちがいます。オスは橙色にいくつもの不定形な白い斑点を持ちます。雌雄同体であり、生まれてから10cmくらいまではメスの性質を持ち、群れの中で競争に勝った強い魚がメスからオスへと変化するのです。一匹のオスと多数のメスのハレムを築き、より多くの卵を産み子孫を残すための繁殖の習性です。
サクラダイはオスの花びらを散らしたような体色が名前の由来ですが、漢字で桜鯛と記されるのは他にもいて、桜が咲く春の時期に水揚げされるマダイの呼び名でもあります。

参考文献
エコチル | 【東海大学海洋科学博物館だより】群れで泳ぐ、きれいな「サクラダイ」 | (2023年1月10日) 2025年5月4日閲覧
美ら海水族館 | 美ら海生き物図鑑 | サクラダイ 2025年5月4日閲覧
吉田 朋弘, 高山 真由美, 本村 浩之「トカラ列島中之島から得られた琉球列島初記録のハタ科サクラダイ」Nature of Kagoshima Vol. 43, Mar. 2017. 2025年5月4日閲覧
吉田 朋弘, 高山 真由美, 本村 浩之 (2019年3月29日)「種子島から得られた大隅諸島初記録のサクラダイ」Nature of Kagoshima Vol. 45, Mar. 2019. 2025年5月4日閲覧
菊正宗ネットショップ | ブログ | 「桜鯛」と「サクラダイ」。実は、別の魚です | (2022年5月4日) 2025年5月4日閲覧