Ptereleotris evides (Jordan and Hubbs, 1925)
学会で知られるきっかけは和歌浦の個体?熱帯域のハゼ
体長10cm。インド洋から中、西部太平洋にかけての熱帯域に分布するハゼの仲間で、サンゴ礁付近の砂底に生息します。細長い身体は前半部がブルー等の淡色で後半部は暗色です。上下対称的な山なり形状の背鰭と臀鰭を立てながら、サンゴの海をスイスイと遊泳しています。
サンゴ礁に生息する熱帯魚ですが、実はクロユリハゼの模式標本の産地は和歌山県です。和歌山県の和歌浦湾から採集された2個体に基づいて、1925年に 魚類学者であるDavid Starr JordanとCarl Leavitt Hubbsにより「Encaeura evides」として最初に記載、命名されました。クロユリハゼは和歌山県で場死滅回遊魚として南方から黒潮にのって流れ着きます。日本本土はクロユリハゼの産地ではありませんが、熱帯魚が身近に見られることの一例です。David Starr Jordanは1922年に日米関係委員会のために来日して、渋沢栄一らとも協議を行なっています。水産業とも関わりの深い渋沢栄一とは親交を深め、長年の友人関係を築きました。おそらくその来日の際にクロユリハゼを含む標本を持ち帰ったのではないかと考えられます。

参考文献
美ら海水族館 | 美ら海生き物図鑑 |クロユリハゼ 2025年3月16日閲覧
和歌山県立自然博物館 | 紀州の鯊(ハゼ)| 52 クロユリハゼ | 自然博物館だよりVol.32 No.3,(2014年) 2025年3月16日閲覧
渋沢栄一記念財団 | デジタル版『渋沢栄一伝記資料』 | 第33巻(DK330097k) 本文 | (2026年11月11日) 2025年3月16日閲覧