米国を象徴する哺乳類
北アメリカに分布する大型のウシ科の動物で雄は体長2.0 – 3.5m、肩高は最大で186 – 201cm、尾長30 – 95cm、野生個体の体重は390 – 1270kgに達します。
アメリカバイソンは冬季に氷点下を大きく下回る地にも生息しています。頭部から腹部にかけて毛が密集しているのは、吹雪の時風に向かって立つ習性があり、雪風に耐えるためと考えられます。また大きな頭は深い雪の中で、大きく左右に動かし雪かきしながら歩を進めるためです。その巨大な頭を支えるために背中の筋肉が発達し盛り上がっています。
バイソン属の発祥はアジア南方にあるとされ、現生種は大別して本種とヨーロッパバイソン2種になります。本種はヘイゲンバイソンとシンリンバイソンの亜種に分かれます。シンリンバイソンの方がヘイゲンバイソンよりも大型でより原始的とされています。
しかし19世紀末の絶滅の危機を経て、バイソンとウシを交配させ、より優れた“牛肉”を作り出そうと試みがあり、交雑が進んだ結果、全てのアメリカバイソンの純血種は絶滅したと考えられています。その証拠に米国イエローストーン公園内のバイソンは家畜ウシのDNAを0.24%持っていることがわかっています。
米国では2016年にバイソン遺産法が成立しバイソンを「国を象徴する哺乳類」に指定しました。野生種を保護する一方で、家畜化も進み食肉としての活用も図られています。
参考文献
エレファントーク | No.177 アメリカバイソン – おもしろ哺乳動物大百科 121 偶蹄目(クジラ偶蹄目)ウシ科 | (2016年3月1日) 2024年9月21日閲覧
GoUSA.jp | アメリカで今なおバイソンが歩き回る場所 2024年9月21日閲覧
ナショナルジオグラフィック | ニュース | バイソンを「国の哺乳類」に指定、米国 | (2016年5月12日) 2024年9月21日閲覧
ナショナルジオグラフィック | ニュース | ”純粋なアメリカバイソン”はいなかった、「純血種保護」に衝撃 | (2022年10月17日) 2024年9月21日閲覧
Henry, Alison “How bison survive winter in the Northern Great Plains” World Wildlife Fund. WWF. 2024年9月21日閲覧
KURU KURA | 「アメリカバイソン」|第19回アニマル”しっかり”みるみる | (2021年1月15日) 2024年9月21日閲覧
農畜産業振興機構 | 月報「畜産の情報」(海外編)1999年7月 | 増加するバイソンの食肉利用(米国) 2024年9月21日閲覧