Ciconia boyciana (Swinhoe, 1873)

日本の空を再び舞う

全長110 -130cm、翼開長200 – 220cm、体重4.5 – 5.5kg。東アジアからロシア南東部にかけて分布します。越冬地としては、中国のポーヤン湖(Poyang Lake)が有名です。

ツルやサギに似ていますが、系統的には別種です。コウノトリは鳴管を動かす筋肉が発達していないため、鳴き声を出すことができません。そのため、クラッタリングという、上下の嘴をカスタネットのようにたたき合わせて音を出すことで、コミュニケーションをとります。ちなみにペリカン目に属するハシビロコウもクラッタリングを行います。

かつては日本各地の水田や河川、沼でよく見かけられましたが、明治時代になり一般人の狩猟が可能になると乱獲により個体数が減少し、昭和の高度成長期には環境の変化や強力な農薬の使用や餌の減少により生息域も減少し、ついには昭和46年(1971年)に、日本の野生コウノトリは絶滅してしまいました。しかし、その後最後の生息地だった兵庫県豊岡市では、ロシアからつがいの個体を譲り受け根気強く繁殖活動を続けたことにより、コウノトリは再び日本の空を舞うことができるようになりました。

昔から「赤ちゃんを運んでくる」、「幸せを運んでくる」と言われるように、日本各地でコウノトリは神聖な霊鳥として崇められ、伝説として云い伝えられています。しかし「赤ちゃんを運んでくる」という云い伝えは世界的に共通な伝承です。元々は中世ドイツやノルウェーで確立したものが、アンデルセン創作の童話「沼の王の娘」で広まりました。ちなみにヨーロッパのコウノトリはシュバシコウという種名です。

赤子を運ぶ伝説のコウノトリ

参考文献

コウノトリと共に生きる豊岡 | コウノトリについて 2024年11月24日閲覧

コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル | 生態と歴史 2024年11月24日閲覧

兵庫県立コウノトリの郷公園 | コウノトリを勉強しよう | どうして絶滅した? 2024年11月24日閲覧

サントリーの愛鳥活動 | 絶滅から復活へ 日本中の空を舞いはじめたコウノトリ@兵庫県・豊岡盆地 2024年11月24日閲覧

いきもの通信 | コウノトリとツル、どこが違う? | (2005年10月2日) 2024年11月24日閲覧

『「こうのとり伝説」とふるさと鴻巣』(2016年1月) 広報こうのす No.770, 鴻巣市 2024年11月24日閲覧

Gigazine | 「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」というイメージはどこから来たのか? | (2018年6月15日) 2024年11月24日閲覧


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