Stegostoma fasciatum (Hermann, 1783)
幼体時の縦縞が名前の由来です
インド太平洋全域に分布し、60m以浅のサンゴ礁に生息しています。成体は全長約3.5 m、薄黄色の体色に散らばる黒い斑点を持ちますが、幼体時には縦縞の模様があり、その見た目が英名の由来です。和名は漢字「虎斑鮫」でこちらも縦縞が由来です。見た目の違いから幼体は別種と考えられていました。ちなみに同じテンジクザメ目のジンベエザメとは近縁種です。
メスは長さ17cmもの大きく丈夫な卵嚢を産み、卵嚢は毛のような糸や繊維の房によって海底に固定されます。約6ヶ月で孵化して生まれた幼魚は水面近くを泳ぎ、縞模様や波打つように泳ぐその姿はウミヘビのようです。
成体は通常は単独で行動しています。夜になると捕食活動を行い、餌は主に貝類、エビ、カニ等甲殻類、小さな硬骨魚などです。比較でおとなしい性格なので人間には危害は加えません。食用として東南アジアの市場では生鮮または塩乾燥で売られています。個体数は減り続けておりIUCNレッドリストにおいてNT(準絶滅危惧)の評価となっています。
トラフザメの不思議な生態としてメスだけで繁殖できる「単為生殖」を行うことが知られています。水族館などメスだけで飼育されている個体で確認されています。個体群の密度が低くなり、繁殖が困難となるような厳しい環境を乗り越えるための適応進化である可能性があります。サメでは他にもシュモクザメ、ツマグロ、テンジクザメの仲間でも単為生殖が確認されており、全てのサメに備わっている機能なのかもしれません。

参考文献
ナショナルジオグラフィック | 動物大図鑑 | トラフザメ | (2023年4月6日) 2024年7月13日閲覧
NEWSWEEK(ニューズウィーク日本版) | 「人魚の財布」からトラフザメが出てくる瞬間 | (2021年11月15日) 2024年7月13日閲覧
“Zebra Shark, Stegostoma tigrinum (Forster 1781)” Fishes of Australia. 2025年3月29日閲覧
美ら海水族館 | 美ら海だより | これからが旬です! | (2016年4月26日) 2025年3月29日閲覧
ナショナルジオグラフィック | ニュース | ホテルのサメが4年連続“処女懐胎” | (2012年1月9日) 2025年3月29日閲覧