Acanthurus xanthopterus (Valenciennes, 1835)
クロハギは黒くない?
体長35cm。ニザダイの仲間で、東アフリカ、マダガスカルからアメリカ西海岸、そしてペルー北部に至るまで、インド太平洋の熱帯域に広く分布しています。日本では南日本の太平洋沿岸、伊豆諸島、琉球列島、小笠原諸島などに生息しており、現地では食用として流通しています。灰色がかった体色で、後部や尾鰭は暗色、そして胸ビレと目にかかる帯が黄色であることが特徴です。
しかし、なぜクロハギという名前をつけられたのでしょう。体色は灰色と言っても青みがかった明るい色調で、黒には見えません。さらにはハギの仲間でもなく、名前と一致しないのです。さてその理由は水揚げされた後にわかります。死ぬと黒く変色し、厚みのある皮はカワハギのようにきれいに剥ぐことができるのです。ちなみに沖縄ではニセカンランハギ等と共にトカジャーという名で親しまれています。煮漬けで食べられることが多いようです。
参考文献
“Acanthurus xanthopterus Valenciennes, 1835 Yellowfin surgeonfish” FishBase. 2025年4月26日閲覧
“Acanthurus xanthopterus Valenciennes, 1835″ Marine Biodiversity Portal
of Bangladesh. 2025年4月26日閲覧