浅瀬に潜む巨大危険生物

インドから東南アジア、オーストラリアの海水と淡水が混ざり合った汽水域、または淡水域に生息します。平均で全長4m、体重450kgになる世界最大級の爬虫類で、大きいものは全長6m、体重は1tを超えます。

獲物が水を飲みにやってくるのを、水辺の水面下に潜んでじっと待ち続け、スイギュウやサル、イノシシ、サメなど、アゴで捕らえられるものは何でも食べます。人間が襲われることもあり、現地では人喰いワニとして恐れられています。筋肉質のしっぽを叩きつけるように振って突然水面から飛び出し、獲物に食らい付いて水中に引きずり込み、獲物がおぼれ死ぬのを待ちます。激しい縄張り争いから共喰いすることも珍しくありません。

また、イリエワニは帰巣本能が強く、別の水系に連れてこられても自分の生息地に戻ることができそうです。なぜ地球から出ている磁力を感じ取り、方位磁石のように方向を割り出せているのではないかと言われています。

皮革はクロコダイル革として古くは古代エジプト時代から王族や貴族の装飾品や武器、装備品として使われてきました。現在でも特にイリエワニの皮革は「ポロサス(スモールクロコダイル)」と呼ばれ、最大級の評価を得ていて高級なバッグや財布等に使われています。スモールクロコダイルと言ってもそれは体の大きさではなく、鱗の配列がほかの種類のものより細かいことからそう呼ぼれています。

左向きのイリエワニ
右やや正面向きのイリエワニ

参考文献

“Saltwater crocodile” Crocodiles of the World 2024年9月23日閲覧

Beatson, Cecilie (2020, November 19) “Estuarine Crocodile” Australian Museum 2024年9月23日閲覧

SBS | ワニ研究者・福田雄介さん、ワニへの思い強く ノーザンテリトリー政府でワニ研究 | (2022, June 20) 2024年9月23日閲覧

ニフレル | 生きもの図鑑 | イリエワニ 2024年9月23日閲覧

カラパイア | 体長6.1メートル、重さ1トンの巨大人食いワニがフィリピンで生け捕りにされる | (2011年9月7日) 2024年9月23日閲覧

東京クロコダイル | ブログ | 【クロコダイルの革の種類とその特徴】クロコダイルと呼べるのは4種類のワニ革だけ | (2016年1月17日) 2024年9月23日閲覧


PAGE TOP