南米に渡ったラクダたち
体高約1.2m、体重70- 1 40kg。南アメリカのアンデス地方の山岳地帯にいるラクダ科の動物で、アンデスの野生種であるビクーニャやグアナコに近縁です。
家畜として荷物の運搬を担い、皮は革製品として、体毛は衣類、織物やロープとして、肉は食用として、糞は燃料として利用されます。特に高地であるアンデスでは運搬や移動能力が求められます。その点リャマは20~35キロほどの荷物を背負いながら、1日に30キロもの距離を移動できます。草食性であり、牛と同じように消化するまで食物を反芻します。ほとんど水分を必要としないことも飼育に向いていたと考えられます。
さて、リャマに似た動物として同じく家畜のアルパカがいます。リャマは遅くとも紀元前2,000年頃から、アルパカは紀元前 4000 年頃から前 3500 年頃の間に家畜化されたと推測されています。近年のミトコンドリアDNAを使った研究によると、リャマはグアナコに、アルパカはビクーニャに、より近縁であることがわかってきました。
参考文献
「古代アンデスの人々はリャマやアルパカを飼育していたのか?― ストロンチウム同位体比分析で動物の出身地を探る ―」 | 瀧上舞(国立科学博物館)| 同位体環境学がえがく世界:2022 年版 2024年6月23日閲覧
「高地における家畜化と家畜利用―アンデスとヒマラヤの遺伝学研究―」 | 川本芳(京都大学霊長類研究所) | ヒマラヤ学誌 No.10, 103-114, 2009 2024年6月23日閲覧
ナショナルジオグラフィック | 動物図鑑 | リャマ | (2023年2月24日) 2024年6月23日閲覧