頑固な働き者

ロバ亜属は「アフリカノロバ」、「アジアノロバ」、「チベットノロバ」の3種類に分かれます。一般的にはアフリカノロバが家畜化された亜種の事を指し、成体で肩高0.9 – 1.5m、体重260kg前後あります。

ロバの家畜化は7000年以上前にアフリカ東部から始まったようです。そこからアフリカ、ヨーロッパ、アジアに広まり、長距離運搬の担い手として、特に古代遊牧社会にとって重要な存在でした。日本には飛鳥時代の推古天皇の頃に朝鮮半島からロバがおくられたという記録が残っていますが、根付くことはありませんでした。おそらく、高い湿度に適さなかったと考えられます。また、馬に比べて小さい蹄は水田などのぬかるんだ場所での作業に向かなかったとも考えられています。

さて英名であるdonkey(主に家畜種のこと)、ass(主に野生種のこと)はスラングとして下品な言葉の表現で使われます。ロバは前述のように古くから人間社会に密接に関わってきた動物であり、働き者である一方で頑固で融通の利かない性格を揶揄してスラング化したと考えられます。

古来より運搬役として活躍してきたロバ

参考文献

日経ビジネス | 30年で500万頭も減少した中国ロバの受難 | 北村豊 | (2017年7月28日) 2024年6月23日閲覧

AAAS Eurekalert | 遺伝子研究によりロバの家畜化は7,000年以上前にアフリカで始まったことが判明 | (2022年9月9日) 2024年6月23日閲覧

科学バー | 進化の目で見る生き物たち | 第10話ウマの起源 | 長谷川政美 2024年6月23日閲覧


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