Nipponocypris temminckii (Temminck et Schlegel, 1846)
見極めが難しい日本産淡水魚
体長10 – 15cm。西日本及び東アジアに分布する淡水魚で、比較的穏やかな河川や湖沼に生息しています。オイカワやウグイなどと並び、河川でよく見かける身近な存在です。近年は本来生息していなかった関東でも外来種として見られるようになりました。
臀鰭不分岐軟条数 などの違いから1989年にA型(湖沼型)とB型(河川型)に分けられましたが、2003年にはB型をカワムツ、A型をヌマムツとして新たな和名が提唱されました。別種となった決め手はミトコンドリア DNA に基づく分子系統解析です。オイカワも含めこれらの魚はよく似ていますが、明確に種として分かれているのです。しかし生息域が重なること、交雑可能であることが種の判別を難しくしています。

参考文献
日本淡水魚類愛護会 | タナゴ類 | ヌマムツ or カワムツ 2025年4月26日閲覧
加藤 文男「福井県におけるオイカワ属魚類の分布と雑種の記録」福井市自然史博物館研究報告 第51号:15-24(2004) 2025年4月26日閲覧
TSURINEWS | 『カワムツ』が関東の河川で近年増加中 地域の生態系を乱す恐れもある「国内外来魚」とは? | (2024年12月1日) 2025年4月26日閲覧