Aulostomus chinensis (Linnaeus, 1766)
容姿も餌のとり方も独特な魚
体長40cm、最大で80cmになります。東アフリカから南日本,北オーストラリア、ハワイ諸島に至るまでインド洋・西太平洋に広く分布します。主に浅瀬の岩礁、サンゴ礁などに生息しています。サンゴに完全に依存しているわけではなく、水深200mにある洞窟でも観察されています。
体は細長く側扁しており、管状の口吻はトランペットフィッシュの所以です。ヘラヤガラは擬態の名人であり、細長い体を逆立ちさせて海草やヤギ等サンゴ類、イソギンチャクなどに紛れることもできますし、体色は環境に合わせて黄色や褐色やグレーに自在に変化させることができます。擬態するのは餌を獲るためです。海草やサンゴ礁に紛れながらゆっくりと小魚や小型甲殻類の獲物に近づき、口を大きく開けて一気に吸い込んでしまいます。その姿はまるで掃除機のようです。
さらに面白いことに、ブダイなどの大きな魚が近づくと、その魚の背中にくっつくようにして泳ぎ、小魚などの傍を通り過ぎようとすると背中から突如として姿を現し、小魚を襲います。ブダイの食性は植物性で小魚を襲わないことを知っていて、その存在を利用しているのです。まさにだまし討ちの名人です。

参考文献
川内 貴斗 (2013年10月)「ヘラヤガラ Aulostomus chinensis (Linnaeus, 1766) (トゲウオ目ヘラヤガラ科)」高知大学理工学部生物科学科海洋生物学研究室 2025年3月2日閲覧
TSURINEWS | ヘラヤガラのエサの食べ方が面白い!特徴や生態を解説! | (2022年10月20日) 2025年3月2日閲覧
NHKアーカイブス | ヘラヤガラ 掃除機のノズル?が魚をキャッチ | (2006年) 2025年3月2日閲覧
松浦 啓一「したたかな魚たち」角川新書 pp.140 -141