独特の容姿だけど人懐っこいフクロウ

体長29 – 40cm、体重260 – 600g。世界中に最も広く分布するフクロウの一種であり、南極大陸を除く4大陸、オーストラリアに分布しますが、日本には生息していません。

30種以上の亜種が確認されていますが、分類に関してはまだ研究の余地があり、明確ではありません。ちなみに最大である北米種は、最小のガラパゴス諸島種の2倍以上の重さがあり、地域によって体の大きさと羽毛の色の離散的な違いがあります。

さてメンフクロウは他のフクロウの仲間と比べて大きな違いがあります。まずは独特の容姿です。お面を被ったようなハート型に縁取られた白色の顔と大きな黒目は特徴的です。腹部は白から茶色まで変化に富んでいます。クチバシの上部にある盛り上がった羽毛はまるで鼻のように見え、人の顔に見えて不気味な印象を与えます。鳴き声は「ホーホー」ではなく、金切り声のような「シャー」という甲高い音です。また、メンフクロウは餌となる小動物のほとんどがネズミであり、他のフクロウに比べて代謝率が高いので、多く捕食します。そんなことから害獣駆除のため農家ではメンフクロウを飼っているところもあります。人に懐きやすく繁殖も比較的容易なのでペットとして他のフクロウに比べて入手しやすい種でもあります。

そんな違いから系統的にフクロウ目はフクロウ科とメンフクロウ科に別れます。ちなみにミミズクはフクロウ科に含まれ一般的なフクロウとは羽角があることくらいの違いでしかありません。

日本では馴染みないフクロウですが西洋では中世の時代より民間伝承、神話、迷信などに登場します。悪の兆候として、逆に縁起の良いものとしても信じられてきました。特に英国では農家の納屋に棲みついたり身近な存在であるのですが、近年環境の変化や食糧不足などにより個体数が減り続けており、保護活動が続けられています。

独特の容姿のメンフクロウ

参考文献

“Barn Owl” All Aboout Birds. Cornell University 2024年10月6日閲覧

Uva V, Päckert M, Cibois A, Fumagalli L, Roulin A. Comprehensive molecular phylogeny of barn owls and relatives (Family: Tytonidae), and their six major Pleistocene radiations. Mol Phylogenet Evol. 2018 Aug;125:127-137. doi: 10.1016/j.ympev.2018.03.013. Epub 2018 Mar 11. PMID: 29535030. 2024年10月6日閲覧

“Barn Owl” Owl Research Institute 2024年10月6日閲覧

バードライフ・インターナショナル東京 | 英国のメンフクロウが現代生活に苦闘中 | (2017年4月5日) 2024年10月6日閲覧

“About the Barn Owl Trust” Barn Owl Trust 2024年10月6日閲覧


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