Balistoides conspicillum (Bloch and Schneider, 1801)
岩穴に入ると動かせない!背ビレの秘密
体長30cm。インド西太平洋にかけて広く分布します。75mより浅いサンゴ礁域に主に単体で生息しています。
警戒心が強く、敵に襲われるとサンゴや岩の隙間に潜り込みます。その際に背びれと腹びれにある棘を立ててしっかりと固定するのですが、この棘は丈夫にできていて、背びれの棘には固定する装置もあります。背びれには3本の棘があり、1番前が長く、それを垂直に立てると2番目の棘が支えるように起きてきます。2番目の棘の根元には横方向の突起があり、棘を支える骨とがっちり組み合わさっており、トリガーシステムを構成しています。
そのような状態になると引き抜くことは難しくなります。頭隠して尻隠さずで尾ビレは見えているのですが、身体の後の骨板にある小さくて鋭い棘があることで触れることも躊躇われるのです。このような特殊なヒレの構造は英名triggerfishの由来にもなっています。

参考文献
松浦 圭一「したたかな魚たち」角川新書 pp.187 – 189
ニフレル | 生き物図鑑 | モンガラカワハギ 2025年4月13日閲覧
“Clown Triggerfish” Oceana. 2025年4月13日閲覧