Siganus uspi (Gawel and Woodland, 1974)
2色模様のキツネ顔
体長20cm。体色は前半部が黒色で、尾柄部と尾鰭全体が黄色であることから「バイカラードフォックスフェイス 」の名前でも知られています。口吻が長く伸びているのは近縁のヒフキアイゴSiganus unimaculatusとそっくりです。
フォックスフェイスはキツネに顔が似ていることを示唆していますが、属名のSiganusはラテン語でウサギの魚を意味します。キツネとウサギで頭が混乱しそうですが、系統的にはウサギ魚のグループ(アイゴ属)の中にキツネ顔のグループ(ヒフキアイゴ亜属)があるということです。
本種は1974年に新種として記載されましたが、他のアイゴ属と同様に背鰭、腹鰭、臀鰭には毒腺をもった棘があります。扱いが難しいので食用とされることはありませんが、アクアリウム向けに観賞魚として流通しています。

参考文献
科学バー | すべての生き物をめぐる100の系統樹 | 第81話 アイゴ科とその仲間の系統樹マンダラ | 長谷川政美・小宮輝之 2025年4月13日閲覧