海から遠い湖にアザラシがいる謎

ロシアのバイカル湖に生息する固有種で、世界で唯一淡水に生息するアザラシでもあります。体長100 – 140cm、体重50 – 90kgと、他のアザラシより小型で、全体的に暗い灰褐色です。冬季にはマイナス50度にもなる厳しいバイカル湖の環境を生き抜くために脂肪を蓄えたふっくらとした身体をしています。また、他のアザラシよりも大きくて黒い目も特徴的です。冬は湖は氷で蓋をされ 暗くなるそのため、 わずかな光でも見える ようにするために目が 大きくなったと言われ ています。

そもそも何故海から遠く隔てたバイカル湖にバイカルアザラシが棲むようになったのかは謎です。バイカルアザラシの頭蓋骨構造は、カスピ海アザラシとよく似ています。およそ40万年前は今よりも温暖で北極海はバイカル湖に接近していて川で繋がっていた為、川を伝ってやってきたという説が有力です。

海のアザラシは外敵に狙われるために水面で滞在することはありません。一方でバイカルアザラシはバイカル湖において外敵種がいないので水面滞在する様子が見られます。バイカルアザラシはこの地で約10万頭暮らしています。

厚い脂肪で守られたバイカルアザラシ

参考文献

サンシャイン水族館 | 水族館の生き物たち | 丸い体にくりっとした目のアザラシはキュートな魅力でいっぱい! 2024年7月15日閲覧

河合 崇欣『バイカル湖における生態学的・環境科学的国際共同研究』河合地球環境研究センター(1999年6月) 2024年7月15日閲覧

ナショナルジオグラフィック| バイオロギングで海洋動物の真の姿に迫る 第6回『アザラシの風変わりな休息法』 | 渡辺 佑基 | (2015年7月28日) 2024年7月15日閲覧


PAGE TOP