森林を彷徨うトラ

全長オス220 – 270 cm、メス200 – 230 cm、体重オス100 – 140 kg、メス75 – 110 kg、頭胴長150 – 180 cm、尾長70 – 90 cm。インドネシアのスマトラ島のみに生息します。8ないし9あるトラの亜種の中で最小の亜種であり、最も南に生息しています。オレンジ色の毛皮に狭い縞模様があるのが特徴です。

かつてインドネシアにはジャワ島、バリ島にもトラは生息していましたが絶滅しており、唯一の生き残った種です。しかしスマトラトラの野生での生息数は300~400頭程度といわれ、森林破壊により絶滅寸前の危機にあります。森林破壊の主な要因はパーム油を採るためのアブラヤシプランテーションの拡大です。生息地である森は2000年から2012年の12年間で20%も減少したと言われています。また人間による密猟も大きな脅威となっています。インドネシアの法律では密猟は懲役刑と高額な罰金に処される可能性がありますが、密猟者は後を絶ちません。

森林が減った生息地では餌を追い求め時には30km以上歩くことがあります。餌となるのは、魚、サル、イノシシ、バク、シカなど、大小を問わず入手可能なほぼすべての動物を捕食します。食物連鎖の頂点に立つトラに必要なのは、獲物を追いかけて移動する広く豊かな森です。

トラの最小種であるスマトラトラ

参考文献

WWFジャパン | これを読めばトラ博士?!絶滅危惧種トラの生態や亜種数は? | (2021年12月24日) 2024年8月3日閲覧

Sumatran tiger. Animals. NATIONAL GEOGRAPHIC. 2024年8月3日閲覧

Esquire | NEWS | 2008年に絶滅宣言されたトラが生存の兆し? 新たなDNA発見が示す可能性 | Orf, Darren | (2024年4月21日) 2024年8月3日閲覧

JTEFトラ・ゾウ保護基金 | トラとその保全について 2024年8月3日閲覧


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