濁った川底に棲む巨大エイ
東南アジアのメコン川や、チャオプラヤ川などの大きな河川の砂底に生息するアカエイの仲間です。最大で体長3m、体盤幅2.2 m、体重300 kgにまで成長する世界最大の淡水エイであり、生まれたての幼魚もすでに30cmもの大きさです。尻尾は体長の約1/3の長さがあり、その付け根に約30cmの鋸歯状の尾棘が1本あり、有毒な粘液を分泌しています。尾棘での攻撃は凄まじく、木製のボートを貫通させるほどの威力を持ちます。
ヒマンチュラ・チャオプラヤの名は旧学名に基づくものです。プラークラベーンとも呼ばれますが、標準和名は決まっていません。
濁った川底で生活する巨大エイはその大きさにも関わらず、捕獲されづらく、分類、行動、繁殖など、まだ不明なことが多く、生態は謎に包まれています。タイの地元の大学ではスポーツフィッシングの愛好者に協力してもらい、捕獲した個体に位置情報を記録するチップの埋め込み、血液採取、体幅(胎盤長)の測定などを行いリリースしています。サンプルデータを収集することで巨大エイの研究を進めています。
参考文献
ナショナルジオグラフィック | ニュース | 世界最大の淡水魚、300kgのエイに続いて記録を塗り替える魚は? | (2023年4月12日) 2024年12月14日閲覧
“Giant freshwater stingray” Mandai River Wonders 2024年12月14日閲覧
Monsters Pro Shop | 巨大淡水エイ「プラークラベーン(ヒマンチュラ・チャオプラヤ)」を釣ってみよう (タイランド・メークロン川)| (2016年8月9日) 2024年12月14日閲覧
世界の謎と不思議 | タイの巨大淡水エイ ヒマンチュラ・チャオプラヤ | (2012年12月1日) 2024年12月14日閲覧