Loxodonta africana (Blumenbach, 1797)

ゾウは優れた知覚で会話する

頭胴長(体長)6 – 7.5m、肩高3 – 3.9m、最大体重10t にもなる、陸生動物での最大種です。

アジアゾウに比べて耳が大きいのが特徴で、音をよく聞くために発達したのではなく、放熱や体温調節に役立っていると考えられています。

しかし、ゾウの耳がいいのは本当です。ゾウは人間の私たちには聞こえない20Hz以下の低周波、つまり聞こえないくらいとても低い声でコミュニケーションをとっています。この低い音で、なんと10kmも先にいる他のゾウと会話することができるのです。また地面の振動を足の裏で受け取り、骨を伝って耳で感じる能力があり、この能力によって、足踏みで何kmも離れた遠くのゾウとコミュニケーションをとったり、30 – 40kmも離れた土地の雨や雷を知ったりすることがわかっています。

また近年の研究でアフリカゾウは個体に固有の呼びかけ(名前)で互いを呼び合っていると言うことがわかってきました。低周波のゴロゴロ音で個々の受け手に特有の音であるそうです。名前で呼び合うのは、動物界では極めて稀で、オウムやイルカでさえ、名前を呼ばれた側の個体が発した音を相手側がまねる方式です。

長い鼻の先には指のような出っ張りがあって、小さなものでも掴むことができます。また実は嗅覚も優れていて、イヌの2倍、人間に比べると5倍の嗅覚受容体遺伝子を持っています。たくさんの匂いを嗅ぎわけることで、危険を察知したり、食べ物や水の在処を探っているのかもしれません。

参考文献

京都市動物園 | 飼育員ブログ | 宿題やらねば(ゾウの違い)| (2020年5月31日) 2024年9月23日閲覧

土肥 哲也 (2018年7月) “ゾウと低周波音” 小林理研ニュース 2024年9月23日閲覧

“African Bush Elephant” BBC Animals Wiki 2024年9月23日閲覧

新村 芳人 (2014)「アフリカゾウはイヌの2倍、ヒトの5倍もの嗅覚受容体遺伝子を持つ~ゲノムの比較が明らかにした哺乳類の嗅覚受容体遺伝子の多様性~」東京大学JST 2024年9月23日閲覧

Easy Travel Tanzania | 象は知能があるのでしょうか? | (2024年8月21日) 2024年9月23日閲覧

日本経済新聞 | 「ゾウは「名前」を呼び合う? 研究報告、イルカとの違いも」ナショナル ジオグラフィック | (2024年7月17日) 2024年9月23日閲覧


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