コブハクチョウ Mute swan


中世ヨーロッパの「王の鳥」

ヨーロッパ西部,中央アジア,モンゴル,シベリア南部に分布します。全長約1.6m.体は白色,嘴はオレンジ色がかった赤色,その基部に黒色のこぶがあります。

ハクチョウの中でも特に優雅な姿が好まれ、古代ローマの頃から飼育が始まっていました。中世ヨーロッパでは「王の鳥」と讃えられています。西洋では古来より「ハクチョウが鳴き声を上げるのは死期が迫った時だけ」と言う「スワン・ソング」の伝説があり、本種はそれに因んでMute(無音)と名付けられました。最も実際には全く啼かないと言う事は無く、必要に応じて様々な鳴き声を上げる事が知られています。『みにくいアヒルの子』の作者ハンス・クリスチャン・アンデルセンの母国デンマークでは国鳥に指定されています。

日本では本来生息しない種ですが、各地の湖や池に放たれて棲み着いています。1952年に皇居外苑の壕に放たれた以降、城のお堀で見かけることも多い白鳥です。しかし、水田に飛来したコブハクチョウに苗が食べられるなどの被害も出ており、問題になっています。

優雅な白鳥、コブハクチョウ

参考文献

Swan Upping. The Royal Household. 2024年8月31日閲覧

C.E.C | コラム | 徒然野鳥記 | 第117回コブハクチョウ | 2011年8月1日 2024年8月31日閲覧

冨田千恵子. 2021年4月16日「デンマークの白鳥も若者も、春の門出。」madame FIGARO.jp 2024年8月31日閲覧


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